メンキャバ
メンキャバとは、ホストクラブっぽい接客をする飲食店のことです。
メンキャバで働く男性の事を、ホストクラブ同様ホストと呼びます。
ちなみに、元々はメンキャバではなく、メンズキャバクラと呼ばれていましたが、いつの間にかメンキャバという呼び方が広まったようです。
ホストクラブならわかる方でも、ホストクラブとメンキャバの違いがわかる方はあまり居ないかもしれません。ホスナビは、もう10年近くホスト関係のサイト運営やウェブサイト制作でホストクラブと関係を持ってきましたが、そんなホスナビの社内でも、ホストクラブとメンキャバの違いをはっきりと言える人間は居ません。
実は、ホストクラブとメンキャバって同じなんです。
簡単に言うと、昔の名残というか政治家の『自民党』『民主党』みたいに考え方の違いや出身グループの名残などで2つに分かれてるという状態なんです。
10年前、ホスナビがホスト関係の仕事をしていた頃にはホスト関係の業種として『ホストクラブ』と『ボーイズ』と『メンキャバ』がありました。
キャバクラみたいなシステムで営業するお店を『メンキャバ』、ホストクラブよりもちょっと規模が小さいアットホームな歌舞伎町以外の地方のホストクラブの事を『ボーイズ』とか『ボーイズバー』とかそんな名前で読んでいたんですね。
ただ、インターネットが発達して全国のホストクラブがネットに載せるようになると、『ボーイズ』という名称は消滅しました。ちなみに、10年前にメンキャバと名乗っていたお店は歌舞伎町でも2-3件しかなくほとんどのお店はホストクラブでした。
また、従来(本当は法律違反ですが)ホストクラブは99%が深夜1時~朝方まで営業するお店だったのに対し、警察からの指導もありキャバクラの様に夕方から深夜1時まで営業のお店を出すという実験も行われてきました。この夕方から深夜1時までの営業でネックになったのがホストクラブ特有の料金システム『フリータイム制』です。
フリータイム制では、テーブルチャージ料や指名料やボトル代金などで売上を加算するので時間に関係なく同じ料金が取られます。つまり、閉店間際の12時ぐらいに行っても9時ぐらいから行っても料金が変わりません。そのため、深夜に近づくに連れてお客さんが来なくなるという現象が不安視されてきました。
そこで、夕方から営業のお店は時間制のメンキャバ、深夜のお店はフリータイム制という流れが出来てきます。
それから数年後、メンキャバの勢力が拡大します。
従来の不透明なホスト業界に、時間制で指名替えもOKというキャバクラの男性版、しかも基本料金も1時間-3000円-5000円程度の低料金という業態がウケ、メンキャバには一般のOLさんや普通の学生さんもお店に来れるようになりました。(もちろん、メンキャバでも高額なボトルを入れれば大変な金額になりますが。)
勢いにのるメンキャバ勢力は、従来のホストクラブでは考えられなかった速度で次々と従業員を独立させ、伝説のホストクラブRaphaelから独立してPrince系列を作ったYugaさんなどを中心にいつしか歌舞伎町には数十店舗がメンキャバという名称を使用していました。
当時は、時間制のお店を『メンキャバ』、従来の様に時間に関係なくテーブルチャージ+ボトル制のお店を『ホストクラブ』と呼び分けていました。また、従来のホストクラブとは違う新しさを押し出すというコンセプトの元、メンキャバからさらに進化して、メンズニュークラブ、アミューズメントクラブなどと称するお店も出てきました。
ホストクラブ=フリータイム制、メンキャバ=時間制。
この説明をしているサイトがほとんどなので、そう信じ込んでいる人もいると思いますが、2013年11月時点のメンキャバを取り巻く最新情報はそう単純ではありません。
以下、引用
ホストクラブとの大きな違いは料金システムである。引用元:Wikipediaメンズキャバクラ
ホストクラブが時間無制限のフリータイム制なのに対し、メンキャバは時間制で最初の一時間を過ぎて、延長すればするほど金が掛かる(これを延長料金という)。明朗会計のため、ホストクラブにある売掛の制度もない。
ホストは原則的に永久指名制なのに対し、メンキャバは指名替え可能なことやホストクラブの役職の制度がない、などの違いもある。
Wikipediaのメンキャバの説明がこうですから、これを見た方は『ああ、メンキャバって時間制で売掛がなくて指名替えが出きて役職が無いんだ!』と信じてしまうでしょう。しかし、これはメンキャバに利害関係のない業者や自分に都合の良い様にメンキャバのイメージをあげようとしている一部の経営者のワナかもしれません。
まずメンキャバの料金システム。2013年冬の時点では時間制のホストクラブもありますし、フリータイム制のメンキャバもあります。ついでに、来店時にフリータイム制と時間制を選べるお店まであります。
次に売掛、メンキャバでも売掛があるお店は沢山あります。
ただ、メンキャバではお店が売掛を認めないのでお客さんが売掛をするときにはホストが建て替えるという手法を取っているだけです。このメンキャバの売掛のやり方ではむしろ、ホストクラブの方が優しいような気もしますが。。。最近の親切なお店では、求人広告にきちんと売掛が有ることを明記した上で、回収専門の組織があるから安心だとPRするメンキャバもあります。
そしてメンキャバの指名制度、これは男性ならすぐにわかると思いますが、現実的に指名替えは90%無理です。
要するに、メンキャバで指名替えが禁止されていなくても、キャバクラで指名替えをするのと同じですから、大変気まずい思いをしながらお店に行くことになります。90%無理と書いたのは、それでも実際に指名替えをするケースがあるからです。大体は、担当ホストにではなく、お店の内勤さんや店長さんに相談した上で、どうやったら円満に解決するか話し合って、結果として指名替えになったという事はあることです。でも、そうやって面倒な指名替えをする事なのでメンキャバでも指名替えはほとんどありません。
最後にメンキャバには役職が無い?完全に嘘です。幹部補佐や主任や代表といった普通の役職がありますし、昇格祭なども良く行われています。
以上、Wikipediaのメンキャバ説明は完全に嘘ばかりということになります。
おそらく、Wikipediaに書いてあるメンキャバの解説は、現在の様に『メンキャバ』が流行る前の初期段階で、メンキャバを創りだした方やメンキャバを流行らせた方の『理念』のようなものだったのでしょう。しかし、現実的に時間は流れ、2013年冬時点での歌舞伎町では、上記のようにメンキャバだから時間制、メンキャバだから指名替えOK、メンキャバだから売掛無し、メンキャバだから役職無し、という事は全くの誤解です。
実は、ここ数年、メンキャバの勢いに屈する形で時間制のホストクラブというモノが出来てしまいました。これは、ホストクラブなんだけれども、時間が無い時でも1時間気軽に来れるように低料金を実現したもので、あくまでメンキャバではなく『時間制の』ホストクラブと言い張っていました。
また、最近その逆でフリータイム制のメンキャバもできてしまいました。こちらもメンキャバの気軽さや勢いはそのままに、あくまで時間を気にせずにゆっくりして欲しいという事で『フリータイム制の』メンキャバと言い張っています。メンキャバの中には、来店時に時間制とフリータイム制のどちらかを選べるというお店まで出現しています。もう、わけがわかりません。
つまり、例えば今日歌舞伎町に新しいお店が出来たとして『ホストクラブ』と名乗るか『メンキャバ』名乗るかは、オーナーや代表さんの気分次第、ということです。
一般的には、独立する前に働いていたお店がメンキャバであればメンキャバと名乗り、ホストクラブからの独立であればホストクラブとして名乗るのが一般的です。
実際に、2013年冬オープンの店舗にホスナビスタッフが『メンキャバとホストクラブって何が違うんですか?』と聞いたところ、そのオーナーさんもよくわからないという答えで、なんとなくうちは過去の流れでメンキャバと名乗ってるけど、時間制にしていない店もある、という答えでした。
自民党と民主党 ・ ホストクラブとメンキャバ
似たようなものだと思って大丈夫です。
ホストクラブ=フリータイム制のお店が多くて業界歴の長い安心のお店が『多い』
メンキャバ=勢いがあってどんどん独立してた時間制の革新的なお店が『多い』
ということで、求人に応募するときに『ホストクラブ』は怖いから『メンキャバ』にしよう!と考えている方がいらっしゃいましたら、お店選びに失敗すると思うのでそういう分け方はしないほうが良いと思います。
安心のお店が良ければ、業種欄と給与欄を『完全に無視して』お店選びをすると良いでしょう。
この2つ程、ホスト店舗の宛にならない項目はありませんので。
以上、ホストクラブとメンキャバの違いでした。