営業には風営法2号許可の取得が必要であり、深夜0時(一部歓楽街は1時)から日の出(気象庁が発表する時間で季節によって変わる)まで、営業が禁止されている。
俗に言う日の出営業という言葉は、風営法を守って深夜の営業をやらないという店側の方針により、合法的に営業が開始できる時間=日の出であることから、二部営業のことを日の出営業と呼ぶようになった。
営業時間は主に夕方から深夜1時ごろまでの“一部営業”、日の出から午前中までの“二部営業”、午前中から昼ごろまでの“三部営業”の3タイプがあり、歌舞伎町においては1部営業がメインであり、8割以上の店舗はキャバクラなどと同様夜をメインの営業時間としている。
ホストクラブで働くスタッフのはホストと呼ばれる。
元々は、パーティーなどでおもてなしをする主催者側をホスト、呼ばれて参加する側をゲストと呼び分けたことから、ホストという呼び名がついた。ちなみにホストは男性であり、女性の場合にはおもてなしをする側の主催者はホステスと呼ばれる。キャバ嬢の別称ホステスもまた、ここからつけられた言葉。
ホストは歩合制の収入形態を取っており、税法上はお店との雇用関係ではなく、1人1人が独立した個人事業主である。そのため、社会保険や残業代など一般的に考えられる『雇用』に関する手当はいっさいない。ホストについて詳しくはホストの項目参照。
ホストクラブという名称が最もポピュラーで一般的ではあるが、従来のホストクラブのイメージを変えてもっとカジュアルで明るくスタイリッシュなイメージを出したいと、メンズキャバクラ、メンキャバ、メンズニュークラブなどと名乗るお店もある。ただし、その違いは遊ぶ側のお客側からすると軽微であり八割型同じような店舗だと考えて差し支えがない。
メンキャバと名乗るお店は、時間制の料金となる事が多く、ホストクラブと名乗るお店は時間に関係なくテーブルチャージとボトルキープという料金体系の場合が多い。これは、初めて遊びに行く客側からするといくら掛かるかわかりづらいというホストクラブの料金体系よりも、時間制の方が明瞭でわかりやすいという配慮からできた形だ。ただし、どちらの方が優れているという事はなく、好き好きで選んでいいだろう。
ホストクラブへ遊びに行けるのは、原則として18歳以上の女性となる。17歳の女性がお店で遊んだ場合、お店側は管理責任を問われて営業停止となる。ただし、18歳以上であっても飲酒や喫煙をさせる事はできず、18歳の女性がお店で飲酒や喫煙した場合、お店側はやはり管理責任を問われて営業停止となる。この様に、ホストクラブではお客の年齢による営業リスクがあるため、初めて来店する際には年齢が確認できる身分証明書の提示を求める事が一般的である。20歳の女性がふらっとお店に行っても、年齢を証明できなければ断られるということだ。
前述の営業時間の話や年齢確認の話など、ここ数年の新宿のホストクラブは合法な営業を行う方向へシフトしてきた。わずか10年前は深夜に営業を行うお店がほとんどで、18歳のホストが酒を飲むことも見て見ぬふりをしてきたにも関わらず。
これは、ホストという職業の社会的進出と、歌舞伎町浄化作戦による取締の強化という2つの理由がある。ホストがテレビに出て特集されたり、元ホストがタレントとして活動をするようになると、ホストという仕事の認知度が高まり表に出るようになる。その都合上、いつまでも違法営業をするわけにいかないということだ。また、警察の取り締まりが厳しくなったということもある。
現在は、深夜1時以降に営業しているホストクラブは新宿にはない。
深夜に営業すると、営業停止になってしまうため経営者としても深夜営業を止めた方がメリットが大きいということになったためだ。現在の歌舞伎町で深夜営業をするお店があれば、通報が入ってすぐに摘発されるだろう。また、未成年の飲酒についても他店からのチクリなどすぐに通報される環境ができている。
現在はインターネットの発達もあり、悪いことをするとすぐに情報が広まってしまう。そのため、歌舞伎町のホストは本当に合法的な営業を強いられている。最近では、ホストの客引きが撲滅した。客引きをして営業停止になるぐらいなら、客引きさせることも止めるということだ。
一部、警察署に届出を出して合法的にビラ配りをしている店舗は残るものの、大部分のホストクラブは客引きをやめてしまった。その代わりに台頭してきたのが案内所だ。しかしながら、ホストクラブで遊んだことがない女性が案内所へ行くという事は考え辛く、また、同じく初めて遊びに行く女性がネットの宣伝を見て直接お店のドアを空けるとも考えづらい。客引きが無くなったことで、一般の女性がホストクラブへ行くキッカケが無くなってしまったということになるが、その反面、ホストクラブについての抵抗感は薄れているようで、普通のOLさんが自分へのご褒美としてホストクラブでストレスを癒すという事も多い。結果として、お客の人数は変わらず、勧誘されることなく興味を持つ人だけが行くような仕組みとなった事は、社会的には良いことかもしれない。
ホストクラブでは、来店したお客に1人又は数名のホストが同じテーブルで接客をしてくれる。
接客内容は、キャバクラと同内容で、お酒の用意、タバコや灰皿などのテーブル業務、話し相手、場の盛り上げなど。客が何を求めて来店しているのか判断し、その目的に合わせて接客を行う事が主な仕事となる。世間のイメージでは年中『わーっしょーい!』と盛り上げっている様に思えるかもしれないが、お客が悩みを相談に来た時には真剣に話を聞き、楽しみに来た時には盛り上げ、暇つぶしに来た時には楽しませる、そのような機転がホストには求められる。
歌舞伎町のホストクラブには、業界団体というものが無い。
例えば歌舞伎町230店舗が加盟する歌舞伎町ホスト組合という様なものが存在しないのだ。
数年前から、組合を作って警察などと連携しながらクリーンなイメージを打ち出したいと動いた人間も何人かいたのだが、全店舗が参加する様な組合は実現しなかった。
組合や協会が無いということは、誰も正確な情報が発信できないというマイナス要因が出てくる。
ホストクラブの社会的地位向上を目指すのであれば、自主規制や情報発信などが必要になってくるので今後の歌舞伎町ホストクラブが『夜の怪しいお店』というポジションを脱するのかどうか、今後の動き次第だろう。