接客の会話のきっかけに「自分、いくつに見えますか?」というのは定番ですが、歌舞伎町Noelのさくらはやとさんと話をしていて、「それマジですか!?」という事態が発生! ホスナビ取材班が真相を究明すべく、オープン前のNoelへ乗り込みました。
在籍店:Noel(ノエル)
名前:さくらはやと
1970年、長崎県生まれ
俺は年齢で人を判断しない。だから歳を聞かれたらちゃんと答えますよ
ー いや、マジでどこから見ても“アラフィフ”には見えないんですが……。今回なぜ年齢についての取材のOKをくれたんですか
こういう仕事で実年齢を公表するのはデメリットの方が大きいと思うし怖いんですが、一つはNoelの宣伝になれば、もう一つは自分と同じぐらいの年齢の人もホストをもっと魅力がある仕事だと感じてくれて、自分も魅力さえ磨けば輝ける!と業界に入ってきてほしいからです。
ー 同年代のどんな人に挑戦してほしいですか
なんの努力もなしに「好かれるかも……」と勘違いするのはお客様に失礼ですし、魅力においては一般の男性よりもワンランク上であるべき美意識が何より大切です。
ホストとしての接客能力はもちろん、外見や雰囲気を向上させる意欲がある同年代の人に挑戦してほしいですね。歌舞伎町の人気があるプレイヤーの方たちと同じ目線で査定され、魅力の勝負をすることで、自分の魅力を常に向上させようとすることができる!
それがホストをやる一番のメリットだと俺は思います。
ー お客様などに年齢を聞かれたらちゃんと答えるんですか
もちろん、聞かれたらきちんと答えますよ。中にはちょっとイヤな顔をする女性もいますが、「年齢? だから、なに?」って受け流しますね。今の歌舞伎町は30代のホストが増えてきて、40代はなかなかいませんが、自分は年齢のことを気にしてないし、あまり考えないですね。
言い訳にするもダサいので。
考えてしまうのはお客様や同業者の方なので、年齢関係なく人として好きか嫌いかだけで向き合ってほしいですね。自分は相手が10代でも尊敬するし、好きになりますよ。
自分が一つでもウソをつくと、他のこともウソをついていると思われるのが嫌だ!
ー 年齢について、はやとさんなりのポリシーってありますか
そうですね、「この世の中は好きか、嫌いか、どうでもいいか、全てはただそれだけで成り立っている」と思っています。
年齢に関係なく、自分に魅力があるから指名をもらっているという結果を残していきたいし、自分が一つでもウソをつくと、他のこともウソをついていると思われる。もっと言えば従業員、Noel全体がそう思われるのは嫌なんです。
ー 後輩ホストとの接し方で気をつけていることは
Noelで一番若手は22歳で、自分が最年長ですが、年齢が違っても、同じ目線での勝負は、自分にとってプラスになっています。
自分は28歳でホストになりましたが、今の若い子を見ていても、昔とそれほど変わりませんよ。年齢関係なく、部活みたいに切磋琢磨して仲良くワイワイできる店だし、なにより孤独を消せるのが一番の財産であり楽しみですね。
後輩との接し方のコツは、先輩風を吹かさないことですね。そんなものに意味はないです。
何歳だとしても、ホストとして魅力的にいられるコツとは
ー 来年50歳になりますが、人知れず努力していることは何ですか
努力ですか? いや、何にもしてないですね。スキンケアも適当だし、整形はもちろんエステにも行かないし。たまに出勤前にジムに行って、温冷浴法をするぐらいです(笑)。夏になると気にせず焼いて真っ黒になるんですが、それでも特に何もしていませんね。
ー はやとさんにとって、ホストとして魅力的でいることとは?
メディアや雑誌などをたくさん見て、オシャレや流行のレベルを上げること、いろんな知識、場所、経験を体感することで、一般の男性より高い位置に持っていくことは意識しています。
それは金銭をいただいて接客する側の当たり前のことだし、それが自分の財産や魅力にもなるのは最高に幸せ! そういう向上心を持たせてくれる存在となる姫様には本当に感謝です。あとは全ては好奇心ですね!
人生の絶頂期の20代、転機の30代、もう一度戦いたくなった40代
ー はやとさんがこの仕事を始めたきっかけは?
大学を卒業して福岡でグラフィックデザイナーをしていました。ファッションが好きでデザインの仕事に就きましたが、デスクワークは孤独で、ワイワイできる時間がほしいと思った時に、ホストはベストな仕事だと思って、28歳の時に東京に出てきて始めました。
当時はキャッチがまだOKの時代で、「プリクラを名刺に貼って渡す」のを始めたのはたぶん自分が最初ですね。
かなり驚かれてましたから!
ー 今振り返るとどんな20代でしたか
20代は容姿、体力、すべての全盛期で、人生で一番モテて当たり前の期間ですね。それで6年半働いて、34歳で転機を迎えて、10年間インターバルがあって、44歳でまた戻ってきました。
ー 戻ってきた理由を教えてくれますか
インターバルの時もホストクラブの状況は現場感覚でウォッチしていて、ちょうどイケメンが続々と出てきた頃で、歌舞伎町にお洒落でカッコイイ人が集まってきたのを見て、「おっ、自分の理想になってきた」と思ったんです。
40歳を越えていましたが、絶頂期の若い子たちと同じ土俵で感じ合えるからこそ魅力を数倍引き出せる仕事だし、その人たちに勝つから意味がある。「人として好きにさせられるかどうか」なので、またプレイヤーをやりたくなりました。
ー 来年50歳になりますが、抱負はありますか
自分はずっとアートが好きですが、ホストも絵も似ています。「売れないと意味がないけど、必ず好みがある」。
50歳になってもホストとしての勝負はしつつ、自分しか出せない個性で何かやりたいですね。カッコイイだけで売れている人にはできないことをやりたい!
それにNoelは思いやりのある人間性がしっかりした人しかいないのが最高なんです!そんな皆んなの魅力をお手本にしたりパワー貰ったり、これからも人として男としてホストとして進化したい!だから女性( 姫様 )の方々も自分を信頼して安心してお客様にはNoelに足を運んでほしいですね。もちろん入店希望の男性は大歓迎です!!
それと、この記事を見て、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、自分は常に好奇心の塊なので、流行曲も誰よりも好きだし知ってる、古い曲も一番知ってる。
だからそういう幅が広い部分でも自分のことを好きになって応援してくれる人が出てきてくれたらうれしいです
さくらはやとさん インタビュー(後編)に続く