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売れっ子もまずはここからスタート!ホストクラブの掃除組とは?

ホストクラブの現場では、きらびやかな接客の裏に地道な下積みの存在があります。その代表格が「掃除組」です。売れっ子ホストも、最初はこの掃除組からキャリアをスタートしたケースが一般的です。

この記事では、ホストクラブの成長戦略に欠かせない「掃除組」の役割と、その運用がもたらす人材育成・店舗管理の利点について、経営者目線で解説します。

ホストクラブの裏を支える「掃除組」とは?

掃除組は、ホストとしての基礎を固めるための重要なポジションです。まずは、掃除組の目的と配属される人員について見ていきましょう。

掃除組は地味だけれど大切な「ホストの登竜門」

「掃除組」とは、新人や売上が安定しないホストが担当する掃除・雑務のポジションを指します。入店直後のホストにとっては避けて通れない「登竜門」であり、売れっ子ホストも例外なくこの期間を経験しています。

掃除を通じて店の構造や備品の扱い、ホスト業の裏側を学ぶことができるため、単なる雑用ではなく、育成の一環として導入されることが多いようです。

誰が掃除組になる?

掃除組に配属されるかどうかは、店舗ごとの方針によって異なりますが、多くの場合は月の売上額で判断されます。

決められた売上ラインに達していない場合に、「掃除組」に配属されるのが一般的です。つまり、入店したばかりの新人だけでなく、たとえ経験が長くても売上が基準に満たないホストは掃除組に配属されます。

逆にいえば、新人であっても即戦力として基準以上の売上を達成できれば掃除組からすぐに卒業というケースもあり、実力主義の象徴の一つともいえるでしょう。

掃除組の仕事内容

掃除組の仕事は、店内の掃除だけにとどまりません。お客様に最高の体験を提供するための基盤を作る、非常に重要な役割を担っています。実際の業務を見ていきましょう。

開店前の準備

掃除組は開店前に早めに出勤し、店内の清掃や備品のセットアップを行います。床・テーブル・ソファ・トイレなど、店内全体を隅々まで清掃し、心地よい空間に仕上げるのが仕事です。

灰皿の準備、おしぼりやコースターのセッティングも掃除組の業務です。通常の準備に加え、予約がある場合は、そのお客様に合わせた飾り付けも担当します。

店舗によっては飲料や備品の在庫確認、発注作業まで任されることもあり、清掃にとどまらず、ホストクラブの営業そのものを支える役割だといえるでしょう。

営業中のサポート業務

掃除組のホストも、営業中はほかのホストと同様に接客を行います。ただし、指名客や新規客の来店がない場合は、ヘルプとして卓につき、先輩ホストのサポートに回るのが一般的です。

また、内勤の手伝いとしてドリンクやフードの配膳、グラスや灰皿の片付けなど、細かな気配りが求められる業務も担います。

営業中のサポート業務は掃除組のホストにとってお客様との接し方や先輩ホストの立ち振る舞いを間近で学べる、貴重な機会となります。こうした経験を積み重ねることで接客の基礎が備わり、将来的な指名獲得にもつながっていくでしょう。

閉店後の掃除

営業終了後も掃除組の役割は続きます。ゴミの回収や灰皿の片付け、グラスや備品の洗浄など、閉店後の後片付けも彼らの業務です。

時には酔いの残る状態での作業となりますが、翌日の営業に向けて店内を整えることは、ホストクラブの基盤を支える重要な役割といえるでしょう。

掃除組がホストのキャリアに大切な理由

掃除組の業務は一見地味ですが、ホストとしてのキャリア形成において重要な意味を持ちます。なぜなら、単なる雑用ではなく、将来の成功につながるスキルと精神力を養うことができるためです。

売上を上げるための「ハングリー精神」を育むことができる

掃除組は、いわば売上が伴わない状態を象徴するポジションです。

経営側が彼らに求めるのは、自分がいま「下の立場」にあることを意識し、そこから脱却したいという前向きな姿勢です。売上の低さはモチベーションの低さに直結しますが、この時期に下積みを経験させながら、自発的な行動力と営業意識を育てていくことが重要です。

掃除などの裏方業務を行いながら、どうやって自分を売り込むか、どうすれば指名が取れるかを考える機会になります。

掃除組で培われる「這い上がりたい」という気持ちは、お客様への営業活動や自分磨きにつながり、売上向上への大きな原動力となるでしょう。この「ハングリー精神」は、のちに売れた際も努力を継続する力として発揮されます。

ホストの中には、掃除組の立場をネガティブに受け取る人もいるかもしれません。経営側としては、モチベーションをいかに引き出し、同時に掃除組から抜け出せるよう応援する仕組み作りを考える必要があるでしょう。

お客様への「気配り」を磨くことができる

掃除を通じて店内の細部に注意を払う習慣を身につけることで、接客時の「気配り力」にも自然と磨きがかかります。たとえば、灰皿の交換タイミング、グラスの残量、椅子の位置など、ちょっとした変化への観察力が養われます。

「気配り」は成績上位のホストにとって不可欠なスキルであり、初対面のお客様にも「気が利く」と思われるきっかけになります。

気配りの技術は言葉で教えるのが難しい分、掃除という日常業務を通じて自然と身につけていくのが理想です。隅々まできれいにするという習慣が、細かな点にまで目が行き届き、お客様のニーズを的確に読み取る能力の養成につながるでしょう。

ただし、彼らが義務感だけで取り組んでいるうちは、そうした学びに気づくことは難しいかもしれません。

接客以外の業務について学ぶことができる

ホストの仕事は接客がメインですが、店舗運営にあたってはそれ以外の多くの業務が存在します。備品の管理や在庫チェック、SNS更新、買い出しなども欠かせません。

掃除組としてこうした業務に携わることは、店舗運営全体を理解する良い機会です。これは、将来的に幹部を目指す際に大きなアドバンテージになります。

ホストとして成功したあとのキャリア設計においても、こうした実務経験が「有能な人材」として評価される要素となるでしょう。そのため、掃除組には接客以外のスキルを伸ばすという視点を持たせるような指導も求められます。

お店の「顔」を作る責任を感じることができる

どれだけ豪華な内装でも、清掃が行き届いていなければホストクラブの魅力は半減します。掃除組の仕事は、「店の顔を整える」作業であり、お客様からの第一印象を左右する重要な役割です。

たとえば「トイレが汚れている」「グラスが曇っている」。それだけでお客様からの評価は大きく下がります。掃除組のホストには、自分の手で店の空気感を作り出すという責任感が自然と芽生えるでしょう。こうした責任意識の醸成は、ホスト全体のサービス品質を底上げします。

掃除組を卒業して売れっ子ホストへの道を開くには?

掃除組を卒業し、売れっ子ホストとして活躍するためには、いくつかの重要なステップがあります。単に指示をこなすだけでなく、自分で考えて行動する積極性がカギとなるでしょう。

売れっ子ホストとして認められるための最も明確な条件は、売上を上げることです。多くのホストクラブでは、月の売上額が一定の基準を超えることで掃除組から卒業し、接客に専念できるようになります。

そのため、掃除組のホストは日々の業務をこなしながらも、いかに指名を獲得し、売上を伸ばすかに全力を注がなければなりません。こうした野心が彼らのモチベーションを維持し、成長を促す大きな要因となるでしょう。

先輩ホストや内勤と良好な関係を築こう

掃除組のホストが飛躍するために欠かせないのが、先輩ホストや内勤スタッフとの信頼関係です。

接客技術にまだ自信が持てない時期だからこそ、実績のある先輩ホストから学び、適切なアドバイスを受けることが重要です。

また、内勤スタッフとの関係が良好だと、店内の情報をいち早く把握したり、ヘルプの機会を得たりするうえでも有利に働きます。

誰にでも礼儀正しく接し素直に学ぶ姿勢を示すことが、自身の成長を促すだけでなく、周囲からの支援を得やすい関係構築につながります。

併せて、売れっ子ホストや内勤スタッフが掃除組をサポートできる環境作りも、店舗運営における重要な課題です。

同伴・アフターが入ると一時的に掃除が免除される

掃除組のホストであっても、営業前の同伴や営業後のアフターが入っている場合、その日の掃除業務を免除されるケースがあります。

これはホスト個人の営業活動が「売上見込み」として評価されるためです。実際には数字がそれほど上がっていなくても、集客への積極姿勢が認められているといえます。

同伴やアフターを獲得できれば、お客様との信頼関係を深めるチャンスにもなるでしょう。

チャンスを得た新人ホストが掃除から離れて接客に集中できる環境を整えることで、成長のスピードも加速すると期待できます。オーナーや店長にとっては、営業意識を高める工夫としてインセンティブ制度との組み合わせをうまく活用することで、やる気を引き出しながら早期戦力化を促すことも可能です。

お店によっては掃除を外部業者に委託する場合も

近年では、掃除組の制度を廃止し、清掃業務を専門業者に委託するホストクラブも増えています。

背景には、ホストの本来業務である「接客」と「営業活動」に集中させたほうが、売上向上に直結しやすいという判断があります。特に新人ホストにとっては、時間や体力を消耗する雑務よりも、お客様との関係構築にリソースを割くことが重要とされているのです。

また、求人面でも「掃除なし」は一つの差別化要素となり、優秀な人材の獲得にもつながります。

ただし、掃除組の経験を通じて身につく気配りや責任感といった「人間力」は、長期的には店の財産にもなります。外注によるメリットと育成機会の損失のバランスを見極め、経営方針に合った運用を検討する必要があります。

まとめ

「掃除組」は、ホストクラブの運営において単なる雑用係ではありません。多くの売れっ子ホストが潜り抜けてきた「登竜門」であり、将来の成功のために必要なハングリー精神や気配り、責任感、そして裏方業務への理解を育む貴重なステップです。

地道な現場作業を通じて基本動作と意識を育むことが、将来的な戦力を育てる着実な一歩といえるでしょう。

掃除組制度の見直しや外注を検討するにあたっては、自店の成長戦略に沿った導入・運用ができるかがカギとなります。