ホストクラブは、営業終了の瞬間まで華やかに盛り上がります。その締めくくりとして流れる、たった一曲の特別な歌。それが「ラスソン(ラストソング)」です。
その日の売上No.1ホストが、支えてくれた姫に贈るこの一曲には、感謝の気持ちとトップとしての誇りが込められています。この記事ではラスソンの仕組みや流れ、人気の楽曲、担当に歌ってもらうためのポイントを詳しくご紹介します。
ラスソンの仕組みとは?
ラスソンは、ホストと姫の絆が色濃く表れる特別な演出です。その意味やラスソンへと至る流れを知ることで、より深く楽しむことができるでしょう。
その日の売上No.1が姫に向けて一曲歌う
ラスソンは、その日最も売上額が多かったホストが、指名してくれた姫に向けて歌を披露する、ホストクラブならではの華やかな演出です。
きらびやかな照明の下、スポットライトを浴びながら歌い上げるその姿は、まさに「本日のクライマックス」。
売上に貢献した姫にとっては特別な夜を締めくくる最高のシーンであり、ほかのゲストの姫にとっては体感を味わえる感動的な瞬間となります。曲は、その日の雰囲気や姫の好みに合わせて選ばれることが多く、言葉では伝えきれない想いが歌声ににじみ出ます。
営業終了からラスソンまでの流れ
その日のラスソンを誰が歌うのかは、閉店間際までわかりません。営業時間が終わる直前に、その日の売上が集計され、ホスト全員の順位が決まるためです。
集計結果が出たら、ラスソンを歌う売上トップのホストが発表されます。ホストクラブでは、この発表の瞬間がクライマックス。店内は一気にラスソンモードに変わります。
トップを獲得したホストは、応援してくれた姫のために一曲披露します。店中にはその日のNo.1ホストの歌声が響き、甘い余韻を残しながら一日の幕が静かに下ろされます。
ラスソンはどうして特別?
ラスソンは、ホストクラブの夜を締めくくる特別な儀式。メロディと歌声が感動を呼ぶ、かけがえのない瞬間です。ここでは、その魅力を紐解きます。
担当の歌声を堪能できる
担当の歌声やステージでスポットライトを浴びる姿を、心ゆくまで堪能できるのがラスソンの魅力です。情感豊かに歌い上げられるバラードや、アップテンポで華やかなナンバーまで、ラストソングはどの曲も心に響く力を持っています。
普段の接客中には見られない真剣な表情や、歌に込められた想いに揺れる目元など、舞台に立つ担当の姿からは、彼の内面が垣間見えることもあるでしょう。
また、歌声に込められた感謝の気持ちは、姫の心にそっと届きます。その瞬間、二人だけの特別な時間が生まれたような感覚に包まれるかもしれません。
心を込めて歌う担当の姿を間近で見守りながら、歌声に酔いしれる時間は、忘れられない思い出として胸に刻まれることでしょう。
担当を支えた達成感を得られる
自分の担当がラスソンを歌う瞬間を見ることは、姫にとっても大きな喜びです。ラスソンの瞬間は、自分の応援が担当の成功に直結していることを実感できる瞬間でもあるため、特別感と達成感を得られます。
なにより、「担当がNo.1を獲得したこと」を周囲からたたえられる時間は、ホストだけでなく姫にとっても勲章になることでしょう。
ラストソングはホストだけでなく、応援した姫もその夜の主役となれる、特別なご褒美なのです。担当が歌うラストソングには、売上を支えてくれた姫への感謝が込められています。
お店全体が一体となって盛り上がる
ラスソンの間はお店全体が盛り上がためで、ほかのゲストやホストとの一体感を楽しむことができます。
ラスソンが店内に流れ始めたら、誰もがシンガーに注目します。ライブ会場のような臨場感はテーブルを越えて広がり、ホストクラブならではのエモーショナルな時間を体感できるでしょう。
ラスソンプレイヤーはお店のSNSでも紹介される
トップに輝くと、お店の公式SNSでその栄誉がたたえられます。「本日のラスソンは、○○でした!」といったコメントとともに、担当の輝かしい姿が写真や動画で公開されます。
担当がNo.1になったという事実が広く知れ渡り、その回数が重なるにつれて、栄光への階段を一段ずつ上っていくことになります。とはいえ、トップに立つためには、姫からの応援が不可欠です。応援している担当がSNSで取り上げられることも、ホスト遊びの楽しみの一つといえるでしょう。
ラスソンでよく歌われる曲
ここでは、ホストクラブの夜を最高に盛り上げるラスソンとして、特に人気のある楽曲をご紹介します。さまざまなジャンルから、心に響く名曲が選ばれています。
応援してくれた姫の好きな曲
ラスソンは、日頃から応援してくれる姫への感謝の気持ちを伝える特別な機会です。そのため、姫の好きな曲が選ばれることが多いといえます。
たとえば、Kinki Kidsの「愛のかたまり」は、ストレートな愛情表現が多くの女性の心を捉えている名曲。ラストソングとして歌われることで、より一層感動的な曲として心に残るでしょう。
キラキラ感満載のアイドル系
華やかなラスソンのステージを、さらに盛り上げるのがアイドル系の楽曲です。
King&Princeの「シンデレラガール」は、彼らの「王道アイドル」としてのイメージを確立した曲。ラスソンとしても大人気です。
切ないバラード系
感傷的でゆったりとしたメロディは、ラストソングにぴったりです。夜が静かに更けていく時間には、切ないバラードが胸に響きます。
「三代目J Soul Brothersの『花火』や、Janne Da Arcの『Rainy~愛の調べ~』を、担当の歌声で聴いてみたい」。そう願う姫も多いのではないでしょうか。感情を丁寧に紡ぐ歌声は切なく、ラストソングの余韻をより一層深めてくれます。
担当が得意なとっておきの一曲
ラスソンは担当にとって、自身の歌唱力をアピールする絶好の機会でもあります。Acid Black Cherryの『Prologue End』や、赤西仁の『Eternal』のような、少し難易度の高い楽曲を、担当が自信を持って歌い上げる姿は、ひときわ輝いて見えるでしょう。
普段から歌い込んでいる得意な一曲だからこそ、その歌声には特別な感情が込められ、聴く人の心を強く引きつけます。担当の個性が光る選曲を楽しみにするのもおすすめです。
担当にラスソンを歌ってもらうにはラストオーダーが重要
ラスソンで担当の歌声を聴きたいと願うなら、ラストオーダーのタイミングが非常に重要になります。ラストオーダーの時間までの売り上げが、その日のNo.1を決める大きな要素であるためです。
担当に少しでも効率良く売上を積み重ねてもらうために、ラストオーダーの時間に合わせて、シャンパンや高額なボトルをオーダーするのが、ラスソンへの近道といえるでしょう。あなたの熱意が担当の背中を押し、輝かしい舞台へと導くかもしれません。
まとめ
ラスソンはその日を締めくくる、ホストクラブならではの感動のフィナーレです。トップに輝いたホストが姫のために歌うラスソンには、感謝の気持ちと、共に過ごした夜を彩る特別な想いが込められています。
担当ホストの歌声を堪能したり、お店全体で盛り上がったりと、ラスソンにはさまざまな魅力があります。
また、ラストオーダーを意識した行動が、担当のラスソンにつながる可能性を高めます。売上貢献のために無理をする必要はありませんが、ホストと相談しながらボトルを入れるタイミングを見計らうのもゲームのようで楽しいかもしれません。
たとえ担当がラスソンを獲得できなかったとしても、担当以外の歌声も楽しめます。個性豊かなホストたちのパフォーマンスはエンターテインメント性が高く、きっとその場を盛り上げてくれるはずです。その日最後の特別な歌声を味わってみてはいかがでしょうか。