NEWS ホスナビニュース

【雛子の体験記】 第10回 ちょっと変わったシャンパンコールの思い出

こんにちは。今年も残り3カ月。ハロウィン、クリスマスなどホストクラブではイベントが増える時期。年内に少しでも売り上げを伸ばそうと、姫とその担当にとっては段々とピリピリし始める時期でもあります。そのような中でも過度に周囲を気にせず、自分のペースでホストクラブを楽しむことも、また大切かと思います。

前回は「シャンパン」、その中でもホストクラブにおいて王道と思われることを中心に紹介しました。今回はそれ以外にも最近よく見聞きするようになったシャンパンについての事柄を引き続き触れたいと思います。

インスタ映え間違いなしの「アルマンド」

2年くらい前までは知名度が高くなかった「アルマン・ド・ブリニャック」。カラフルなメタリックのボトルに、スペードのエースの形のラベルでインスタ映え間違いなしのシャンパン。以前はメタリックボトルのスパークリングワインと言えば、世界初が代名詞「ボッテガ」でした。現在はキャバクラの女の子のインスタから広く知れ渡り、ホストクラブでもアルマンドを見かけることが増えました。

前回触れた「ドンペリ」はもちろん、高級シャンパンは種類に応じ、かなり高額な物が存在しています。「アルマンド」はさらに高価ですが、お洒落感抜群。空になったボトルを卓に置いておくだけでも、飾りボトル(後々触れたいと思います)の如く、豪華かつ華やかになるのでホストクラブにうってつけの存在です。私事ですが、アルマンドが流行り出してからは「ガッツリ」遊ぶこともないので、どのような味なのか、甘口なのか辛口なのか、未体験のまま今に至っています。

出典 https://www.urban-drinks.fr

ボトルが光り輝く「ネクター・アンペリアル・ロゼ」

「アルマンド」の他に外観と価格で心を引くシャンパンが、「モエ・エ・シャンドン」の「ネクター・アンペリアル・ロゼ」。ボトル全体にカッティングが施されて、ボトルの底には電池式のスイッチがあり、ONにするとコーラルピンクに光ります。初めて見たときは、「伝統と実績のモエ・エ・シャンドン」が市場(特に日本の水商売だろうな、と)のウケを狙ったかと少し驚きでした。中身はモエ・エ・シャンドンということで、香りも良くしっかりとした美味しさです。

出典 https://eng.winestyle.ru

シャンパンコールは姫、王子、マイク、他の大勢のキャストで構成

さて、今回のメインテーマである「シャンパンコール」について、基本的なことを整理したいと思います。

ホストクラブで「シャンパン」や「飾りボトル」などを注文すると、大勢のホストによってテーブルにて仰々しく行われるのが「コール」と呼ばれるもので、各店舗やグループによって多少の違いはあれども、TVなどで目にしたことがあるものが典型的な「コール」だと思って間違いありません。

シャンパンをオーダーしたお客様が姫、その担当が王子。そしてコールに欠かせないのが、全体の流れをつくるマイクを担当するキャスト(メイン、サブがあることも)。他のキャストは盛り上がるようなタイミングで合いの手を入れていきます。

高いボトルがオーダーされると「コールの権利」を手に入れることになりますが、必ずやってもらわなくてはいけないというわけではありません。シンプルに恥ずかしいので断ることもあれば、ホストとお客様が他のホストとの売り上げランキングの攻防のために、あえてコールなしにすることも可能ではあります。

初めてホストクラブに足を運んで段々と雰囲気に慣れてくると、店の規模により頻度は変わりますが営業時間内にランダムに行われるコールが魅力的に見えてきます。ホストクラブで使う予算が、普段は3万円くらいならば10万円を目安にすればシャンパンコールができると思います。(お店のシステムやメニューの価格によって異なるため、自分の担当に聞いてみましょう)

ライバル心むき出しのシャンパン合戦に発展することも

シャンパンを入れたお客様は「姫」と称され匿名性が保たれます。そして担当は「王子」と呼ばれますが、使われる曲やコメントから基本的に誰なのかはわかってしまいます。

だからこそ、担当が同じお客様同士、バチバチのライバル心むき出しな場面や、挑発するようなコメントをし合うこともあります。最近ではめっきり挑発し合うようなシャンパン合戦を見かけることも減っている気がして、少し寂しく感じます。

「出会って1ヶ月の記念で入れました。〇〇くん(担当の名前)、大好きです」

はい、これ王道。1ヶ月、3ヶ月……と、記念日ごとにシャンパンを入れてもらえるようなホストでいてください。

「いろいろ言われてますが、わたしよりお金使ってから言ってくださーい」

匿名掲示板で心無い噂が盛り上がって、怒り心頭のお客様にありがちなコメントです。どんな種類のシャンパンを入れたのかは大抵わかるので、受けて立つお客様がいればさらに高額のオーダーにより、場を煽るようなコメントが発せられたりします。

ホストクラブはお金をたくさん使っているお客様が強くて偉いのです。札束で殴り合うとの例えもあるくらい。

ちょっと変わったシャンパンコールの思い出

そんな大勢のお客様による熾烈なバトルと真逆のシャンパンコールをひとつ紹介したいと思います。

・姫、王子 → もちろん1人ずつ
・マイク → メインとサブ1人ずつ

以上。

キャストの数3人。ならばコールはいらないのではないかとさえ思う、なんともシュールなシャンパンコールを他の卓から眺めたことは未だに忘れられません。

ですが、メインとサブのマイクもキレが良く、キャストは素早くボトルを空けてホストとしての仕事はしっかりこなしていました。ただただ、人が最小限しかいないという、そんなホストクラブが以前はあったりもしました。

昨今の歌舞伎町のように大きなグループが大きな影響力を持つようになる前の、少し昔のお話でした。

次回もシャンパンや飾りボトルのときの「コール」と「シャンパンタワー」について紹介できたらと思います。